お子さまの歯が乳歯から永久歯に生え変わり始めると、だんだん歯の並び方が気になってきます。
乳歯の歯並びがきれいになっているから矯正が必要ないと思っている方が多いです。
小学生の低学年で上の前歯の歯並びが気になると思ってこられるなら小児矯正をし始めたらまだギリギリ間に合う可能性がありますが、
ほとんどの歯が永久歯に生えそろってからでしたら歯を抜いて歯並びを改善していく方法を取らないといけないケースがほとんどです。
大人になってから矯正をすればいいと思われている方も多いはずです。
それだと一旦成人矯正をしてきれいに並んだとしてもまた後戻りをしてしまい、歯並びがガタガタに戻ってしまうことも多々あります。
そうするとまた矯正を再度することにもなりかねないもです。
悩んでいるのならぜひ矯正相談に来てみてはいかがでしょうか?
お子さまの小児矯正について(できるだけ抜歯をせずに歯並びを治せる矯正)があります。
お子さまの矯正は大きく分けて2つの治療時期に分けられます。
6歳くらいから11歳くらいまでの間に行われる1次治療、もう一つは12歳くらいから18歳くらいになってから行われる2次治療です。
矯正の1次治療は、乳歯と永久歯が両方とも生えている混合歯列期と言われる時期に行います。
永久歯が生え変わっていない状態から正しい位置に誘導していく治療や、顎の成長を正しい方向に促す治療などを行います。
歯並びを無理やりこの位置へという治療というよりも、上下の顎のバランスや顎の幅などのバランスを考えて、永久歯ができるだけ
きれいな歯並びが作れるような環境にする矯正治療です。
矯正の2次治療は、全ての歯が永久歯に生え変わってから歯並びを改善していく治療です。成長期を終えて骨や顎の成長が止まってから、上下の歯の噛み合わせや隣り合った歯のガタガタなどをきれいに整える治療をしていきます。
子ども歯並びは早めに始めたほうがいいのですが、早すぎてもお子さまが装置をつけてくれないようであれば意味がありません。
お子さまの歯並びが悪いと笑顔で笑うことにためらいを持ってしまうことに繋がってしまうかもしれません。
お子さまの矯正治療には、学童期である1次治療から矯正治療を始めたほうがたくさんの成果が得られやすいケースがよく見受けられます。
反対咬合
上下の歯を噛み合わせた時に下顎の歯が上顎の歯よりも前に出てきている状態。
受け口やしゃくれなどとも呼ばれるもので、上顎が十分に成長できなかった場合や下顎が成長しすぎてしまった場合に起きます。下顎が成長してしまって前歯の噛み合わせが逆になってしまうと、上顎の成長を抑制してしまう形になり、さらに下顎が前に成長してしまうという悪循環に入ってしまいます。
すれ違い咬合
上下で前歯や奥歯の歯が前後で入り乱れているかみ合わせの状態です。
片側の奥歯がすれ違った歯並びの状態をしている場合は、頬粘膜を噛んでしまいやすい状態になりやすいです。
どちらかの片方の顎に負担がかかってしまうことで歯にダメージを与えてしまったり、
食べ物を噛んで食べる場合に顎をずらして嚙み合わせてしまうため、顔の形が歪んでしまったりする危険性があります。
未萌出もしくは萌出不足
乳歯がいつまでも抜けずに残っている、または、歯があるのに時期を過ぎても生えない状態。
生え変わりの際に乳歯の歯根は永久歯に吸収されて自然と抜けるものですが、生まれつき永久歯がなかったり永久歯が生えてくる位置がズレていたりすると乳歯の歯根が吸収されず、抜けない場合があります。また、永久歯があっても歯が生えてくるスペースがないと出てくることができず、その上その埋まっている永久歯の隣の歯の歯根を溶かしてしまう可能性もあります。
上記の症状が子供の頃からみられた場合は早期に歯科医院に相談しましょう。その他の症状でも歯並びに関して気になることがあれば、相談だけでもいいので一度歯科医師に診てもらうことをおすすめします。
1次矯正治療(小児矯正治療)をすることで期待できる良い点・悪い点
良いこととして
歯が生えるための顎の大きさを広げることによって歯が正しい位置に並ぶことを手助けすることができます。
顎の成長を手助けすることができます。
歯並びが悪いと滑舌が良くないことがあるため歯並びが良くなると滑舌が良くなることがあります。
歯を正しい位置に並べることでガタガタの歯並びになることを防ぎ、むし歯や歯周病になる危険性を減らすことが可能になります。
もし、大人になってからもう少し歯並びが気になって行う2次の矯正治療の期間が短縮することができます。
生え変わり時期に歯の生えてくる方向を正すことで大人になってからの矯正治療が必要なくなる可能性がある
呼吸や滑舌、舌の正しい位置を学ぶことで歯並びが悪くなる原因を減らすことができる生え変わり途中に矯正治療をすることで大人になってからの治療を軽減させたり、治療の期間を短縮・軽減させたりできることが、子供の頃に矯正を始めることで得られる大きな利点のひとつです。
反対咬合といえば、大人の矯正だと顎の骨を削る手術を伴う治療になることが多いですが、子供の頃から顎を正しい位置に誘導する治療をすることで
手術になる可能性を低くすることができます。
その他に交叉咬合(すれ違い咬合)は若い時から放置しておくと顎の関節に負担がかかり、痛みや雑音などの症状が起こったり、顎がズレていると
顔自体が歪んでしまうことがあります。しかし、子供の頃から矯正治療を始めることで早めに対処することができ、
大人になってからより比較的に早く治すことができます。萌出不全も生えてくるはずの永久歯の萌出を妨げたり、
他の永久歯を吸収してしまったりすることもあるので同じく早期相談していただくのがおすすめです。
歯並びが良くなることで歯垢(プラーク)の取り残しも少なくなり、歯みがきもしやすくなり、永久歯が並んでからの
成人になってからもむし歯のリスクを減らすことができるのは小児矯正の良いところです。
口腔筋機能療法(MFT)という舌のトレーニングをトレーニングすることで歯並びが悪くなる原因・習慣も取り除くことができます。
悪い点
矯正治療はお子さまとの2人3脚ですのでお子さまの協力が必要になります。
矯正治療は永久歯が生えそろうまで治療が続くことがありますので、治療期間がかかってしまうことがあります。
矯正装置が取り外せないものならむし歯になる危険性があります。
幼いうちから1次治療を始めると、大人になってからの矯正治療よりも子供の矯正治療は期間が長くなってしまう可能性あります。
顎の成長が止まるのが14、15歳前後といわれており、顎が健全に成長するための治療を継続的に行う場合には
大人の成人矯正よりも期間が長くなる可能性があります。
固定式の矯正装置がついた場合、歯や歯と装置の間が磨きづらくなってしまい、きちんと磨くことができないとむし歯の危険性が大きくなります。
でも幼い頃から矯正をして歯並びが良くなれば歯が磨きやすくなり、歯並びが悪い時よりもむし歯の危険性を減らすことができます。
種類によっては自由に取り外しができる装置もあり、固定式の装置と違って歯磨きはしやすいですが、気軽に取り外せるが故に装着時間を守るのが難しいお子さんもいらっしゃいます。矯正治療でより良い成果を得るために、治療をするお子さん自身の協力が必要になります。
歯の生え方や顎の成長のしかたによって、子供の時から矯正を始めた方が良いケースはたくさんあります。
今回ご説明したケースに当てはまらなくても、見た目や噛み合わせが気になる、これは矯正した方がいいのかな、など気になる点がありましたら一度初診相談を受けてみることをおすすめいたします。
当院では反対咬合でお困りのお子さまの治療でムーシールドという取り外しが軽度な反対咬合を改善できる矯正装置も取り扱っております。。
シリコン製のもので弾性のある素材で軟らかくて、お子さまに対して治療の痛みも少ないものとなっています。
さらに自由に取り外しも可能な装置で普段は歯も磨きやすく食事の際もいつもと変わらない状態で食べることができるので、お子さんの負担も少ない装置です。
矯正装置が歯に付くと歯磨き(ブラッシング)が困難になってしまい、むし歯が心配になってきます。
成人矯正はブラケットやワイヤーの治療だと痛そうだし、本人も見た目が気になってしまったり、
場合によっては口唇や舌や頬の粘膜を傷つけてしまったりすることがあります。